消費税増税に反対するブログ

消費税の財源の8割以上が法人税減税に消えている!消費税10%への引き上げを中止しよう!(コメントは、異論や反論も大歓迎です)

安倍首相はただちに消費税増税を中止すべき

「デフレ逆戻り」こそ自民党が惨敗した原因

 7月2日に実施された東京都議会選挙で、小池都知事が率いる都民ファーストの会が49議席を得て勝利し、公明党追加公認した無所属候補などを合わせて小池氏を支持する勢力が計79議席にものぼった。その一方で、自民党は57議席から23議席に減らして惨敗し、過去最低だった2009年の38議席を大幅に下回った。この結果を受けて、安倍政権は8月3日に再び内閣改造を行った。

 自民党の敗因は国政で追及が続けられた森友・加計学園の問題に加え、豊田真由子議員の暴言や稲田元防衛相の失言などが挙げられているが、果たして原因は本当にそれだけだろうか?

 私は安倍政権のスキャンダルの他にも、消費税増税から3年経って日本経済がどんどんデフレ不況に逆戻りしていることも無関係ではないと思っている。

 

 実際に、NHKが今回の投票で何を重視したか聞いたところ、「景気・雇用」が27%、「教育・福祉」が29%とこの2つで半数を超え、「議会改革」の11%や「築地・豊洲市場への対応」の12%を上回っており、争点が都政だけでなく経済問題にも及んでいたことがわかる(写真を参照)。

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 安倍政権や日銀の黒田総裁は当初、「2%の物価上昇率を目指す」と発言していたが、総務省が発表している東京都区部消費者物価指数を見ると、2016年のコアCPI(生鮮食品を除く総合)は前年比マイナス0.3%で、2017年2~7月にはコアコアCPI(食料〔酒類を除く〕及びエネルギーを除く総合)が6ヵ月連続で前年同月比マイナスとなっている(図35を参照)。

 ちなみに、物価が下落してデフレになると給料も減少するが、厚労省が発表している実質賃金指数を見ると「きまって支給する給与」も2017年1月から6月まで前年同月比マイナスの状態が続いている。

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安倍政権になってから停滞する個人消費

 また、家計の「消費水準指数」も消費税を8%に引き上げた2014年4月から2017年3月までの36ヵ月中、32ヵ月が前年同月比マイナスとなっており、これは消費税を5%に引き上げた1997年4月~2000年3月の36ヵ月中、24ヵ月マイナスと比べても消費の落ち込みが激しいのである(図36を参照)。

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 この他にも、国民経済計算の「民間最終消費支出」(実質額)を見ると、リーマンショックから安倍政権初期までの4年間(2009年4-6月期~2013年4-6月期)では約19.9兆円も増えているのに対し、その後の4年間(2013年4-6月期~2017年4-6月期)では約1.7兆円のみの増加に留まっている。

 特に、安倍政権になってから消費税が引き上げられるまでの1年間(2013年1-3月期~2014年1-3月期)に限れば約9.8兆円増加し、その後は急激に落ち込んでいるため、いかに増税の影響が深刻なのかわかるだろう(図37を参照)。

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バブルの頃と現在では全く状況が異なる

 しかし、政府は「消費税増税による景気悪化」を決して認めようとせず、安倍政権を熱烈に支持する産経新聞の記者は、有効求人倍率がバブル期並みに回復したことを理由に、「アベノミクスは着実に成果を出している」と述べている。

 だが、実際にバブルの終わり頃だった1991年と2015年を比較すると、正社員で働く人の数は24年間で322万人も減少した一方、年収200万円以下で働くワーキングプア層は24年間で420万人も増加しており、いくら有効求人倍率が高くてもバブルの頃と今とでは全く状況が違うのだ(図38を参照)。

 ちなみに、消費税が5%に引き上げられた1997年と比較すると、正社員で働く人は18年間で495万人も減少、ワーキングプア層は18年間で317万人も増加している。

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 更に、安倍政権は当初、「アベノミクス第二の矢(機動的な財政政策)」として公共事業の大盤振る舞いを宣言していたが、政府の公共投資(公的固定資本形成、2011年基準)の額は2013年10-12月の27.0兆円から2017年4-6月期の25.8兆円まで約1.2兆円減少しており、安倍首相がアベノミクス自画自賛すればするほど増税後の景気対策は遅れ、財政も緊縮的になってきているのが現実のようである。

 竹中平蔵など、アベノミクスを評価する経済学者は「デフレの原因はマネタリーベースの不足なので、日銀が金融緩和を続けていれば景気対策は十分だ」と言うが、私は金融緩和や財政出動と合わせて消費税を引き下げることこそ、真のデフレ脱却につながると考えている。

 

 

消費税を増税してプライマリーバランスが悪化した

 ところで、消費税増税の賛成派は「プライマリーバランス基礎的財政収支)を改善させるために増税が必要」と言う。例えば、経済ジャーナリストの町田徹氏は「『基礎収支8兆円赤字』でも、バラマキしかしない安倍政権が痛々しい」という記事で、安倍政権になってから消費税10%への引き上げが2度延期されたことを痛烈に批判している。

 しかし、1981年以降のプライマリーバランスの推移を見ていくと、80年代に黒字化していたプライマリーバランスは消費税を導入した翌年の1990年の12.86兆円をピークに悪化を始め、5%を増税した翌年の1998年には金融危機の影響もあってマイナス46.99兆円まで大幅に悪化している。2014年に消費税を8%に引き上げてからも、翌年の2015年にはプライマリーバランスがやや改善したが、2016年になると再びマイナス16.54兆円からマイナス21.56兆円へと悪化した(図39を参照)。

 このことから、消費税増税プライマリーバランスには何も関係がなく、むしろ増税するとデフレ傾向になり名目GDP成長率が下がって、プライマリーバランスが悪化してしまうことがわかるだろう。

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バラマキ財政のほうがプライマリーバランスは改善する

 その上、「政府がバラマキ財政を行うとプライマリーバランスが悪化する」という主張も事実ではない。プライマリーバランスが黒字化していた1981~1990年はまだ物品税や消費税3%の時代で、政府の公共投資(公的固定資本形成、2005年基準)が25.8兆円から30.3兆円まで9年間で約4.5兆円も増加し、公共事業関係費は7.0兆円から8.2兆円まで約1.2兆円増額している。

 それに対し、2001~2010年にかけては消費税が5%で、政府の公共投資は33.6兆円から21.6兆円まで9年間で約12兆円も減少し、公共事業関係費を11.4兆円から6.4兆円まで約5兆円削減したにも関わらず、小泉政権で改善していたプライマリーバランスリーマンショック後の2009~10年で大幅に悪化してしまった。

 つまり、プライマリーバランスを黒字化させるには、緊縮財政ではなく経済成長こそが必要で、そのためには財政出動や公共事業の拡大など政府の「バラマキ政策」を行うべきだろう。

 

 ちなみに、8月14日に発表された2017年4-6月期のGDP速報(2011年基準)によれば、実質GDP成長率は年率4.0%、名目GDP成長率は年率4.6%と比較的高い数値を記録した。消費税を引き上げた直後である2014年4-6月期の実質GDP成長率は年率マイナス7.6%、名目GDP成長率は年率マイナス0.2%だったので、やはり増税を延期して正解だったことが数字にも表れたと言える。

 安倍首相は次の衆院選に向けて今すぐ消費税10%への引き上げを中止すべきだし、都民ファーストの会民進党は増税反対を掲げて自民党を追及していくべきではないだろうか。

 

 

<参考資料>

【選挙アナリストが分析する都議選】知事の都政運営はどのように評価されたのか

http://go2senkyo.com/articles/2017/07/10/31146.html

10年前の夏とどこか似てないか? 「安倍降ろし」の裏に見え隠れする「憲法改正封じ」

http://www.sankei.com/premium/news/170703/prm1707030007-n3.html

「基礎収支8兆円赤字」でも、バラマキしかしない安倍政権が痛々しい

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52391