消費税増税に反対するブログ

消費税の財源の8割以上が法人税減税に消えている!消費税10%への引き上げを中止しよう!(コメントは、異論や反論も大歓迎です)

消費税増税は安倍首相が決めたことである

増税財務省民主党のせいにする自称保守派

 日本テレビが3月16~18日に行った世論調査によると、安倍政権の支持率は30.3%と第二次安倍内閣発足から5年あまりで最低となった。支持率急落の原因は学校法人「森友学園」の国有地売却に関する決裁文書改ざんを巡り、財務省近畿財務局の男性職員が自殺した問題が大きいだろう。

 しかし、この森友問題に関して自称保守派やネット右翼は相変わらず「朝日新聞偏向報道をしてるせいだ! 財務省が勝手に改ざんしたことだ! 安倍さんは悪くない!」などと責任転嫁している。

 

 ネット右翼から人気の高い自称保守派は森友学園だけでなく消費税増税の問題でも不自然に安倍政権を擁護していて、例えば経済評論家の上念司氏と歴史学者の倉山満氏は「消費税8%への引き上げを決めたのは第10代財務事務次官の木下康司氏であって、安倍首相は最後まで増税に反対していた」と述べている。しかし、これは非常に無理のある言い訳だ。

 安倍首相は2013年10月1日の記者会見で「社会保障を安定させ、厳しい財政を再建するために、財源の確保は待ったなしです。だからこそ昨年、消費税を引き上げる法律に私たち自由民主党公明党は賛成をいたしました」と発言している。つまり、安倍首相は野党の時代から消費税増税に賛成だったわけだ。

 

 もし、本当に増税反対の立場を明確にしていたのであれば、2013年10月以前に消費税引き上げの中止を発表するか、総理大臣を辞任すれば良かっただろう。その後、消費税10%への引き上げに関しては二度延期したものの、それもあと1年余りで意味がなくなってしまう。

 仮にこのまま安倍首相がズルズルと2019年10月まで総理を続け、増税を中止しなかったら憲政史上初めて消費税を2段階も引き上げる宰相となるだろう。

 

 また、経済素人でもわかる間違いで安倍政権を擁護しているのが嘉悦大学教授の高橋洋一氏だ。彼は「民主党政権が年間自殺者を安倍政権より3000人以上も増やした」と述べているが、実際のところ自殺者は民主党政権でも2009年の30707人から2012年の26433人まで減少している。

 一般的に自殺は女性より男性に多いと言われているが、過去30年間の男性の自殺死亡率と完全失業率の推移を見ると1998年に自殺率が悪化し、2010年から失業率の低下と共に自殺率が改善しているのがわかるだろう(図56を参照)。

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 本当に年間自殺者を増やしたのは消費税増税などの緊縮財政を断行した1996~98年の橋本政権で、第一次安倍政権だった2007年でも30827人と民主党政権より多かったのだ。安倍政権が経済政策によって自殺者を減らしたことを評価するなら、「民主党政権でも年間自殺者は減少していた」と言わなければならない。

 だが、高橋氏は既に自殺者数が減少していた野田政権に対しても「財務省の傀儡政権で、大増税内閣である」と厳しく批判した上、安倍政権になってからも「消費税増税は野田前総理が決めたこと。ただでさえ政権与党時代に経済を立て直せなかった民主党が、自ら行った増税決定のせいで進まない経済回復を批判するというのはブーメランになってしまう」と述べている。

 つまり、失業率の改善や有効求人倍率の上昇など「都合の良い部分」は安倍政権の功績で、増税による個人消費の落ち込みや名目GDP成長率の低迷など「都合の悪い部分」は民主党政権のせいにしたいようだ。

 

 こうした責任転嫁は自称保守派の間にも広く蔓延していて、3月19日の参議院予算委員会では自民党和田政宗議員が「太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官を務めていた。増税派だからアベノミクスを潰すために、意図的に変な答弁をしているのではないか」と発言した。安倍首相自身が消費税8%への引き上げを決定した「増税派」であるにも関わらず、歪んだ被害妄想で安倍政権を擁護する姿には呆れてしまう。

 私がツイッターなどで「安倍首相は消費税増税を中止すべき」と批判すると必ずネット右翼から「増税民主党が決めたことだ。安倍さんとは関係ない」と言い訳する書き込みが返ってくる。彼らは「安倍政権なら消費税が10%になっても20%になっても構わない」というのが本音なのだろう。

 特に、2ちゃんねるニコニコ動画で安倍首相を熱烈に支持する自民党ネットサポーターズクラブに関しては、カルト宗教や北朝鮮の国民が金正恩を崇める感覚に近く正直気持ち悪さすら感じてしまう。

 

 

安倍首相は消費税を5%に戻して責任を取れ

 ちなみに、日銀の黒田総裁や上念氏、高橋氏などのリフレ派(緩慢なインフレを継続させることで、経済の安定成長を図ることができると主張する経済学者)は金融緩和さえ行えば、消費税増税の影響を相殺してデフレから脱却できるとお考えのようだが、『完全失業率と大卒就職率が改善した理由』でも指摘したように2017年には消費者物価指数の中で最も重要なコアコアCPI(食料〔酒類を除く〕及びエネルギーを除く総合)の数値が4年ぶりに前年比マイナスとなっている。

 アベノミクスを持てはやす経済学者は、消費税増税から数年が経ってデフレ不況に逆戻りしている事実についてどう言い訳するだろうか?まさか、「日経平均株価や有効求人倍率が上昇してるからデフレを脱却した」なんてトンチンカンな発言をしないことを願いたいが・・・。

 

 その上、物価が下落してデフレになると給料も減少するが、厚労省が発表した今年1月の実質賃金指数(速報値)を見ると「きまって支給する給与」が前年同月比マイナス1.4%と大幅な落ち込みになった。リフレ派は実質賃金の下落について「物価が上昇している影響」と反論しているが、これも嘘で最近ではコアコアCPIが2015年11月から下落しているのに加え、きまって支給する給与も2016年10月以降に下がっていることがわかる(図57を参照)。

 そもそも、消費者物価指数と実質賃金指数は90年代後半から共に下落しており、2000年を100とすると2017年はコアコアCPIが「95.6」(増税後の一時的な物価上昇を含める)、きまって支給する給与が「91.3」まで下がっている。この十数年間は物価が下落して実質賃金も減少する時代だったわけだ。

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 更に、経済ブロガーの山本博一氏は「実質賃金の低下により雇用者が増える」と述べているが、実際には1996~2016年の20年間で現金給与総額が13.7%も減少した一方で、年収200万円以下で働く貧困層は327.7万人も増加し、非正規雇用の割合も21.5%から37.5%まで上昇した(図58を参照)。

 山本氏は「人手不足が進むと企業は非正規雇用者の給料を引き上げて雇用を確保するようになる」とも言うが、2015年から人手不足な介護と医療の分野で介護報酬と診療報酬の削減が断行されている。就業者数が増加しても実質賃金が下落すれば、ワークシェアリングが進み非正規雇用の割合も高まってしまうのが現実のようだ。

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 高橋洋一氏は内閣支持率が急落しているのを受けて早速、『安倍首相退陣なら日本経済は悪化する…石破or岸田政権発足→景気悪化の悲観シナリオ』という記事を出した。安倍政権で既にデフレ不況に逆戻りしていることが明らかなのに、政策が大して変わらない石破氏をポスト安倍だと思っている時点で低レベルな擁護の仕方である。何故、森友問題に関して「国民に謝罪し、消費税を5%に戻すことで責任を取れ」と言わないのだろうか?

 今から首相になれるかどうかわからないが、私は消費税増税やTPPなど新自由主義的な政策に反対している自由党小沢一郎代表のほうがまだ次期総理に相応しいのではないかと思っている。少なくとも、「安倍さんならデフレ不況のままでも構わない」「安倍さんなら消費税10%になっても構わない」と思っている自称保守派やネット右翼を絶対に許してはならない。

 

 

<参考資料>

倉山満 『増税と政局・暗闘50年史』(イースト・プレス、2014年)

高橋洋一 『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』(講談社、2016年)

     『これが世界と日本経済の真実だ』(悟空出版、2016年)

 

内閣支持率30.3%第二次安倍政権で最低

https://news.goo.ne.jp/article/ntv_news24/politics/www.news24.jp-articles-2018-03-18-04388319-html.html

平成25年10月1日 安倍内閣総理大臣記者会見

https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1001kaiken.html

自民・和田正宗議員「財務省増税派だから安倍政権を貶めるために変な答弁してるのでは?」と陰謀論増税は安倍政権の既定路線でした

http://buzzap.jp/news/20180319-wada-conspiracy-theory/

「実質賃金低下」の正体――“反アベノミクス”に反論

https://nikkan-spa.jp/861466