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消費税増税に反対するブログ

消費税の財源の8割以上が法人税減税に消えている!消費税10%への引き上げを中止しよう!(コメントは、異論や反論も大歓迎です)

増税の悪影響は五輪特需で相殺できない

東京五輪の裏で進められる消費税増税

 参院選後の2016年10月に、自民党は総裁の任期を「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長することを決定した。安倍首相が総裁に就任したのは2012年9月なので、連続3期9年になると2021年9月まで首相を続けられる。安倍首相本人は、2020年に開催される東京五輪まで内閣を続けることを意識し、佐藤栄作内閣(1964~72年)の在任日数2798日を超える戦後最長の政権を目指している。

 仮に、安倍氏東京五輪まで首相を続け、これ以上増税を延期しなかった場合、在任中に消費税を2段階引き上げる初めての首相となるだろう。

 

 個人的に、安倍首相には消費税増税で景気を悪化させ、公約違反のTPPに参加表明した責任を取って早期に辞任していただきたいが、自民党谷垣禎一氏のような総裁経験者から小泉進次郎氏のような若手議員までほとんど全員が増税に賛成しており、誰が首相になっても「将来的に消費税を10%以上に引き上げる」という姿勢は変わらなさそうである。

 そのため、2019年10月に予定されている消費税増税を中止するためには、次の衆院選自民党を敗北に追い込むしか方法がないのかもしれない。

 

 また、消費税増税の時期を2019年10月にしたのは翌年に東京五輪の開催が控えており、増税による消費の落ち込みを「五輪特需」で相殺できるだろうという思惑が感じられる。「オリンピックを開催すれば必ず景気が良くなる」と考える人は高度成長期の真っ只中である1964年に開催された東京五輪を思い浮かべているのかもしれないが、東京五輪は1964年だけでなく戦時中の1940年にも開催される予定だった。

 1940年の東京五輪日中戦争の長期化によって開催中止が余儀なくされたが、翌1941年には太平洋戦争が勃発し、1945年に敗戦を迎えた経緯から「オリンピックを招致すれば必ず経済が良くなる」と考えるのはあまりにも楽観的過ぎるだろう。もちろん、1940年と現在では時代背景が全く異なるが、2020年の東京五輪は新国立競技場の予算削減やエンブレムの盗用疑惑、競技会場の見直しといった諸問題が相次いだこともあり、1964年当時のような国民的な盛り上がりに至るとは思えない。

 

 東京五輪の経済効果について、招致委員会とスポーツ振興局は2013年から2020年までの7年間で約3兆円と見込んでいるが、これは2015年の日本の名目GDP(約499.3兆円)における0.6%程度に過ぎなく、決して大規模な数字だとは言い難い。その一方で、消費税増税の悪影響について世界銀行が発表している名目GDPの推移を見ると、1996~98年の2年間では4兆7060億ドルから3兆9150億ドルへと7910億ドル(約87.0兆円)減少し、2013~15年の2年間でも4兆9090億ドルから4兆1230億ドルへと7860億ドル(約86.5兆円)減少している。

 5%と8%に増税した時期に、オリンピック開催による経済効果の28~29倍もの名目GDPが失われていることから、五輪特需のプラス効果よりも消費税増税のマイナス効果のほうがはるかに大きいと言えるだろう。

 

 

五輪の経済効果は地方にまで波及しない

 更に、政府は地方創生として2020年までに訪日外国人観光客を年間3000万人へと増加させる目標を掲げているが、東京五輪の開催が本当に外国人観光客の増加に寄与するかどうかは疑問である。例えば、2012年のロンドン五輪で、開催時期の7~8月にイギリスを訪れた観光客は2011年の657万人から12年の617万人へと前年比で6.1%も減少している。

 五輪開催時期に観光客が減るのは、道路の渋滞やホテルの価格高騰といった問題を避けるために、オリンピック以外の目的で訪問予定だった人々が観光を取り止めた可能性が指摘されている(小川勝「東京オリンピック 『問題』の核心は何か」 集英社、2016年)。五輪を開催することによって、自動的に観光客の増加に繋がると思うのはあまりにも短絡的ではないだろうか。

 

 日本では近年、外国人観光客が急増しているが、その行き先が都市部に偏っていることが問題点として挙げられている。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」によれば、2014年に日本の観光地に寄せられた外国語の口コミ数を都道府県別に見ると、東京は33.6%、京都は16.0%、大阪は10.0%と三県だけで全体の約6割近くにものぼる。

 筆者の住む群馬県では2014年6月に「富岡製糸場」が世界遺産に登録されたが、富岡製糸場の入場者数は2014年度の133.8万人から2015年度の114.5万人へと減少し、2016年度も月別入場者数が10万人を超えたのは10月のみとなっている。この間、外国人観光客は2014年が1341.3万人、2015年が1973.7万人、2016年が2198.8万人(11月まで)へと右肩上がりで増えているにも関わらず、地方の世界遺産入場者は減少に転じたのである。

 

 2020年の東京五輪は当初、東日本大震災の「復興オリンピック」とも言われていたが、外国人旅行者の訪問先は未だ都市部に限定的であり、五輪を開催することで地方にまで経済効果が波及する可能性は低いのではないだろうか。2014年4月に実施された消費税増税でも、新潟市のスーパーが新型レジに買い替えることができなくて倒産するなど、東京よりも地方のほうが増税の影響を受けやすかった。東京五輪の開催に便乗して消費税を再び引き上げれば、地方の衰退がますます加速するだろう。

 

 また、政府が見通さなければいけないのは安倍首相が辞任し、東京五輪が終了した2020年以降の日本経済である。例えば、ギリシャは2004年のアテネ五輪後、付加価値税を18%から23%まで増税して2010年に財政破綻している。日本でも、東京五輪が終わった後に財務省が「オリンピック予算でお金を使い過ぎてしまった」などの理由をこじつけて、消費税を15%や20%まで引き上げる話が出てくるかもしれない。

 野党も安倍政権を倒閣することを目標にするのではなく、安倍首相が辞任した後の政治について本格的に計画を立てていくべきではないか。

 

 

<参考資料>

自民党、総裁任期を延長へ 「3期9年」案が軸

http://www.asahi.com/articles/ASJBM4KGSJBMUTFK00N.html

日本 名目GDP(1960~2015年)

http://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.CD?locations=JP

東京都は2位東京スカイツリー! 訪日外国人に話題の日本の観光地ランキング

http://news.mynavi.jp/news/2015/04/01/457/

統計データ(訪日外国人・出国日本人)

http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/